赤ワインの製造方法について、簡単に説明します。どうやって赤ワインが作られるのか、順を追って説明します。
赤ワイン醸造の3つのポイント
- 赤ワインは黒ブドウで作られる
- 果皮と種子を木桶やタンクの中で一緒に醗酵させた後、ワインと果皮・種子を分離させる
- 赤ワインは白ワインと異なり、果皮・種子と一緒に発酵させるので、ポリフェノールが豊富
赤ワイン製造法①収穫〜ヴァンダンジュ〜
まずは収穫します。なだらかな場所であれば、機械での収穫が可能です。だた、険しい場所で育ったブドウは機械では収穫することができません。その場合、手摘みでの収穫となるので、手間と時間が掛かってしまいます。
赤ワイン製造法②選果〜トリアージュ・デ・レザン〜
収穫したブドウをワイナリーに搬入した後、状態のよくないブドウを取り除く作業です。多くの場合、ブドウを潰す工程の前におこないます。
赤ワイン製造法③除梗〜エグラバージュ〜/破砕〜フーラージュ〜
収穫したブドウの果梗を取り除いてから、ブドウを潰す行程です。この時、酸化防止と殺菌のため、二酸化硫黄(亜硫酸)を加えることがあります。
赤ワイン製造法④主醗酵〜フェルマンタシオン・アルコリック〜
ブドウの果汁、果皮、果肉、種子を木桶やタンクに入れて酵母を加えます。主醗酵が始まるとブドウの糖分が酵母によって代謝され、アルコールと二酸化炭素に分解されます。この時の醗酵温度は30℃前後で、アルコール分を高めるために、糖を加えることのあります。
赤ワイン製造法⑤醸し〜マセラシオン〜
アルコール醗酵中、およびその前後に果皮から赤い色素のアントシアニン、種子から苦味成分のタンニンを抽出する工程です。長期熟成タイプの赤ワインを造るときはここの期間を長くします。
赤ワイン製造法⑥圧搾〜プレシュラージュ〜
アルコール醗酵および醸しの期間が終わったら、タンクの下からワインを抜き取り、果皮・種子とワインを分離させます。終わったら、個体部分を圧搾機にかけ、さらに液体を絞り出します。
赤ワイン製造法⑦マロラクティック醗酵
主醗酵中や後に、果汁やワインの中に含まれるリンゴ酸が、乳酸菌の働きによって、乳酸と炭酸ガスに分解されます。この醗酵の効果として、酸味がやわらぎ、まろやかになります。
赤ワイン製造法⑧熟成〜エルヴァージュ〜
醗酵を終えたワインを樽またはタンクに移し替えて、1〜2年育成させます。
赤ワイン製造法⑨澱引き〜スーティラージュ〜/清澄〜コラージュ〜
酒石などの混合物が沈澱するので、上澄を別の容器に写かえます。タンクや樽での、貯蔵・育成中に、数回この作業をおこないます。ワインの透明度をさらに上げるために必要に応じて清澄剤を使用します。伝統的に使われるのは、卵の白身、ゼラチン、タンニン酸、ベンナイトなどがあり、2つ以上組み合わせて使うことがあります。
赤ワイン製造法⑩濾過〜フィルトラージュ〜/瓶詰め〜アンブテイヤージュ〜
シート濾過器などを用いてワインを濾過した後、瓶詰めをして完成。早飲みタイプのワインはすぐに出荷しますが、長期熟成をする場合は、瓶詰め後ラベルを貼らない状態で熟成させることが多です。
以上、赤ワインの一般的な醸造法でした。今回紹介した醸造法の他にも特殊な作り方をするワインもありますので、またの機会に紹介したいと思います!
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