ポルトガルはワイン愛好家にとって、世界で最も魅力的なワインの産地の一つとして知られています。その中でも、ポートワインとマデイラワインはポルトガルのワイン文化の真髄を体現し、その特異性から多くのファンを魅了しています。今回は、世界三大酒精強化ワインのうちの2つ、ポートとマデイラについて書いていきたいと思います。
ポートワイン
ポートワインはポルトガル北部のドウロ川流域で生産され、その歴史は古く、品質は世界的に高く評価されています。ポートワインの特徴の一つは、ブレンドされたワインで、赤、白、ロゼ、さらにはヴィンテージやトウニーなど、さまざまなスタイルが楽しめます。ポートワインは通常、強化ワインとして知られており、ブドウの発酵を途中で止め、ブランデーを添加することでアルコール度数を上げます。これにより、甘さとアルコール度数が高く、豊かな風味が生まれます。ポートのアルコール度数は19〜22度と規定されていますが、例外的にホワイトポートだけは最低アルコール度数が16.5度と定められています。
マデイラ
マデイラワインはマデイラ諸島で生産され、その歴史はポートワインと同様に古く、17Cの航海時代から愛されてきました。マデイラワインのユニークな特徴の一つは、酸化ワインとして知られることです。マデイラワインは高温で熟成させられ、酸化が進むことで独特の風味が生まれます。マデイラはアルコール発酵途中にグレープ・スピリッツ(96度)を添加して作られますが、どのタイミングで添加するかはマデイラを作るブドウによって異なります。アルコール度数は17〜22度です。加熱方法は主に2つで、ヴィンテージワインなどの高級品に使われる、太陽熱を利用した天然の加熱熟成法カンテイロと人工的な加熱装置を使うエストゥファという方法があります。
マデイラワインもポートワイン同様、さまざまなスタイルがあります。セーレム、ボアル、マルサラ、ビンテージなど、個々のスタイルは異なり、食事に合わせて選ぶ楽しみがあります。
料理とのペアリング
ポートワインとマデイラワインは、デザートワインとして一般的に知られていますが、実は多くの料理とも素晴らしい相性があります。ポートワインは、チーズ、チョコレート、ナッツ、フルーツのデザートとの相性が抜群で、マデイラワインも同様です。また、ポートワインはフォアグラとの相性が良く、マデイラワインはシーフードやアジア料理ともマッチします。
まとめ
ポートワインとマデイラワインは、ポルトガルの魅力的なワイン文化の象徴であり、その多彩なスタイルと風味はワイン好きにとって、絶えず新たな発見がある世界です。料理とのペアリングを楽しむことで、さらにその魅力が引き立ちます。是非、ポルトガルの歴史的ワインであるポートワインとマデイラワインを試していただいて、その魅力に魅了されてみてください。
コメント